2024/4/22
経営監査とは?ビジネスを成功に導くプロセスを解説
経営監査という言葉を耳にしたことはありますか?経営の安定と成長を望む多くの企業が経営監査を行っていますが、その重要性を正しく理解していますか?この記事では、中小企業にとって不可欠な経営監査の意義と、実施方法について探っていきます。
経営監査とは?
会計監査や税務監査、内部監査などで主に焦点となる財務的な数字や法律、内部統制等の多くは、すでに成文化されています。そのため、比較的チェックしやすいものです。しかし、事業自体の評価となると、会社は生き物なので簡単に見抜くことのできない部分がたくさんあります。その見えない部分を”見える形にするのが、経営監査の役割です。
経営の各場面において、ステークホルダー側が、その業界に詳しく、その業界の特性や対象企業自体の特性などを自分たちで客観的評価できる場合は、問題ありません。しかし、社外取締役の立場やIPO、M&Aなどのシーンでその業界にあまり詳しくないステークホルダーが関与する場合や、経営の妥当性についてバイアスのない客観的な立場からの診断が必要な場合には経営監査の重要性は非常に高まります。
経営監査ではビジネスモデルを整理し、外部環境や内部環境からマーケットにおける競争力を分析し、将来における監査対象の競争優位性や収益の源泉の調査します。
会計監査や内部監査と合わせて実施されることで過去の業績から将来の収益力を予測し、精度の高い事業計画を策定することができます。
経営監査実施の流れ
経営監査は、大きく分けて5つのステップで成り立っています。この5つのステップを簡単に記載します。
プレ監査
プレ監査とは、本格的な開査に入る前の準備調査というべきものです。時間がないのにプレ監査をするというのは、一見、矛盾しているようにみえますが、これを行わなければ、後々の業務にスピード感を持たせることができなくなります。
ここでの最大のポイントは、監査対象の絞り込みです。監査すべきポイントがどこであるのか、事前に目星をつけるのです。
監査設計
プレ監査をした結果、絞り込んだ監査対象ポイントを、より効率的にあぶりだすために、限られた時間の中で、効率的に行える監査方法を設計します。この時には、どのような監査を、誰が、いつからいつまでに実施するかを明確化します。そのため、メンバリングも重要な要素となります。この調査設計が上手くできれば、経営監査は、スピード感を持って、進めることができます。
プレ監査〜監査設計までは1日、2日程度で実施します。
実態調査
ここでやっと実態の調査になります。これは、設計した内容に基きながら、ポイントを落とさず、確実に事実の収集をしていきます。複雑に見える現象を、一つ一つ見える化させていく作業です。バラバラのジグソーパズルにおけるパーツの中で、必要なものだけを取り出していく作業です。
現状総活
実態調査で明らかになった項目を分析していきます。まず、それぞれ部分ごとでまとめを行い、ポイントを絞り込んでいきます。そして、それらの各項目を総合的に分析し、現状の実態を明確化します。その企業を取り巻く環境から内部の長所・課題にいたるまで、表出化したパーツをつなぎあわせ、一つの絵にするようなものです。これで現状がほぼ明確に分かるようになります。
改善提案
現状に基き、企業を活性化させるには、どのように進めるべきか、また、その時間や難易度はどうなのかです。経営監査の仕事は、ここまでです。
その後、経営者は、この結果を見て、今後の経営をどのように改善していくかなどを判断します。
経営監査のポイント
経営監査を実施するには、企業がどのような構造になっているかを知ることが大切です。この構造が、深掘りする監査項目と連動するからです。この企業構造を分かりやすく知るには、6つの鍵があることを理解してください。どのような組織体も、この6つが基本骨格となっています。
トップ
「会社はトップで99%決まる」といわれる位、トップの意識、考え方が会社に大きな影響を及ぼすこととなります。そのため、トップの考え方を知ることは、非常に重要です。昨今の消費者を騙す行為や不正などの本を正せば、トップの考え方に由来していることがほとんどです。このトップの考え方が、結局、社風といわれるものを創り上げます。そのためにもトップ自身を知ることも経営監査では重要です。
事業方針
次に事業方針・戦略層があります。トップの考え方を明確化、そして表現したものがこの部分です。
- 理念の徹底:企業における行動・発想など全ての基盤となるものです。まず、この理念の内容と従業員への浸透度をチェック。
- ビジョンの明確化:会社が目指すべきものが何なのか。従業員は何を目的に動いていたのか。
- 戦略の明確化:ビジョンを達成するための戦略が必要。戦略がなければビジョンはただの”夢”であり、ビジョンを手の届く範囲に引き寄せるものが戦略です。
- 目標:ビジョンを達成するための具体的な数値目標、行動目標などがどのレベルまで落とし込まれているか、その達成度度合いはどうなのか。
これらが、明確化されているか、それは、外部からみて適性か?従業員に理解されているか?という観点でチェックを実施します。
ビジネスモデル
ビジネスモデルは、以下の4観点で競合他社や業界とどこが違い、どこか強みで課題はどこなのかを明確にします。
・商流(とのような商品を誰にどのように提供しているか)
・金流(お金の流れはどのようになっているか)
・物流(物の流れはどのようになっているか)
・情報流(情報の流れはどのようになっているか)
業界の慣習、基本的なビジネスモデル、業務におけるポイント、成功バターン・失敗バターンなど、いかに効率的・効果的に理解するかが最大のポイントとなります。そのため、ここでは、その業界の専門家がいると経営監査はスムーズに運びます。
その中で、この会社の特徴、強み・弱みを明確化していきます。
●業績好調の場合
・そのビジネスモデルが市場に対して優位なポイントを明確化
●不調の場合
・なぜ、不調に陥っているのか?
・伸びているところはないか
人と組織
事業は人なりと言われるように、その会社のヒトの状況がどのようになっているかをチェックします。一般に言われているマネージメント知識がないと、この部分の診断は非常に困難です。主なチェック項目は以下です。
- 幹部層、従業員の質、考え
- 従業員のモチベーション状況とモチベーションの源泉(何にモチベーションを感じているのか)
- 従業員の一体化度合い
- 組織体制、職務分掌、責任と権限
- 評価や人事制度の特徴
- 教育体系
- 採用や離職率、平均勤続年数等の状況
財務
授業の努力は、全て数値と言う結果に現れます。
その数値がどのようになっているかは、非常に重要な分析観点です。より、今後の打つ手は大きく変化します。
- 財務分析の実施
- 各種業績データ分析
外部環境
外部環境は、ビジネスモデルをチェックする上でも非常に重要なポイントです。企業の多くは、非常に大きな影響を受けています。時流をいかに読み、それに対応していくかは重要です。特にその業種がライフサイクルにおいて、どの段階にいるのかは重要な観点です。時流により基本的に取るべき戦略は変わります。それが時流適合です。ここでは主に以下を分析します。
- 市場規模とその市場推移、ライフサイクルの状況
- その企業の獲得、シェア状況、業界における地位
- 競合と業界、業界リーダー企業の動向
- その企業が直接対象としている顧客の状況、ニーズ
- 業界全体の顧客の状況、ニーズ
このように、この6つの構造を体系的に把握することが経営監査のポイントとなります。
まとめ
今回は経営監査の意義、進め方、実施の際のポイントについて解説しました。
経営監査は財務監査や内部監査と異なり、詳細な監査手順が標準化されておらず実施する監査人の経験により作業品質が大きく異なります。
経営監査によって、自社の経営の健全性を可視化して、将来の成長に向けた継続的な改善をお考えの方々は、ぜひ当会計事務所にご相談ください。
無料計算ツールをご活用ください
経営判断に役立つシミュレーションツールをご用意しています。
登録不要ですぐにご利用いただけます。