2025/1/31
DX Playbook 2025:日本企業変革への道標
はじめに
近年、デジタルネイティブなディスラプター(破壊的企業)が各業界を席巻し、日本企業の間でもデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の重要性が叫ばれて久しい状況です。しかし、標準的な方法論が定義されておらず、多くの企業が手探りでDXに取り組む中で、取り組みが停滞してしまうケースも少なくありません。この状況を鑑み、One Capital株式会社のDX Advisoryチームは、長年にわたるハンズオンでのDX支援を通じて得た知見を体系的にまとめ、大企業におけるDXの道標となる標準的な「型」を提示することを目的として、このPlaybookを作成しました。
このPlaybookは、全社的なDXの推進を目指す企業のCEO、主要役員、DX推進組織のリーダーやメンバー、関連部門のDX担当者を主な読者として想定しています。特に、記載項目によって対象とする読者が異なる点にご留意ください。Playbookは、DXの必要性と早期着手の意義を解説する「はじめに」、DX推進に必要な取り組み内容の全体像や標準的な流れ・役割を記載した「DXの全体像」、そしてDXにおいて検討が必要な各テーマの標準的な進め方を記載した「DXの進め方」の3部構成となっています。特に、「はじめに」と「DXの全体像」は、対象読者全員にDXの全体像を把握するために読むことを推奨します。また、「DX推進のためのテーマ」は、DX推進における自身の立場に最も関連性の高いアクションについて、特に参照することが推奨されます。本Playbookは、DXに必要な全ての業務工程を詳細に説明した「マニュアル」ではなく、実務に際しては本Playbookに記載のポイント・アプローチ等を踏まえて各社の状況に応じて推進されることを想定しています。
DXとは、単なるIT活用ではなく、企業のあり方を根本的に変える変革を指します。変化のスピードが早い現代においては、繰り返し変革を遂げることができる企業となることが求められています。DXは、第4次産業革命の要請であり、企業の選択肢は自らの「変革」か「衰退」のみです。産業革命時には多くの破壊的な変化が発生し、変革に失敗した既存プレーヤーは衰退しました。現在では、IoT・ビッグデータ、人工知能、ロボット技術、バイオ技術などの破壊的な技術革新が起こり、社会の変化も農業から産業、農村から都市という変化から、物理的空間とデジタル空間の融合、所有から共有へと変化しています。勃興した産業も繊維、食料品等の軽工業から重工業、コンピューター・ソフトウェア産業、ビッグデータやAI等を活用し顧客ニーズに対応するサービス(異業種格闘技化)へと変化しています。
全ての業界が変革の必要に迫られており、デジタル化のインパクトは業界によって異なります。メディア業界では、AmazonやNetflixなどを筆頭に、完全にデジタル化されたプレイヤーがオンラインストアやサービスを所有し、市場を支配しています。小売業界では、オンライン小売業者を中心に、市場シェアを獲得しています。テレコム、保険、銀行業界では、デジタル化が主要な焦点となっており、顧客向けの取り組みとバックオフィスの改善の両方が行われています。消費財業界では、ほとんどの取り組みはサプライチェーン管理と製品開発に関連しており、大きなデジタル変革はまだ見られません。自動車業界では、主にサプライチェーン管理と顧客向け事業においてデジタル活用による最適化が行われています。物流業界では、配送ルート最適化など、いくつかの事例は見られるが、海上輸送においてはデジタル変革があまり進んでいません。医療業界では、デジタル化は始まったばかりで、フロントオフィスと研究開発に焦点を当てた取り組みがあります。エネルギー業界では、オペレーション管理が中心で、デジタル化の余地が大きい状況です。このように、業界によってデジタル化の進捗状況は異なりますが、全ての業界が変革の必要に迫られていることは間違いありません。
現状と課題
現状の日本のDXの多くは、「IT活用」の域を出ていません。DXの本質はトランスフォーメーションであり、小手先の取り組みでは大きな成功は得られません。海外企業のDX成功事例を見ると、Adobeはクラウド企業に転身し、マーケティング全般をカバー、Microsoftはクラウド企業に転身、Michelinは競合に先駆けてTire as a Service (TaaS)を開始、Siemensは欧州最大規模のSWカンパニーに転身、WalmartはECの5年CAGR43%で米国ECでシェア2位に浮上、NikeはDigitalを活用したD2C売上が全体の4割以上に成長しています。一方、日本企業のDX成功事例を見ると、AIを使った配送業務最適化、RPAを活用したバックオフィス業務効率化、タレントマネジメントシステム導入、AI-OCR活用による業務効率化、職人の技を伝える技術伝承システムなど、従来のIT活用と何が異なるのか、劇的な業界変化の中で、グローバルの競争に勝ち続けられるのか、という疑問が残ります。
海外では、ビジネスモデルを大きく変えるDXの事例が多数存在します。例えば、Adobeは2011年以降サブスクモデルへ事業の転換を加速し、売上・営利に加え、株価も大きく成長。2018年にはサブスクの売上が全体の90%に達しました。Microsoftは、パッケージ商品として販売していた「Office」のクラウド化し、サブスクリプションを導入。自社以外のOSでも利用可能となったことで高い成長率を維持し、最高益を更新しました。Michelinは、走行データに基づき燃費改善やタイヤ交換のタイミングをアドバイスし、走行距離に応じてタイヤ利用料を徴収する「EFIFFUEL」を導入し、「Tire as a Service」の先駆けとなりました。The Washington Postは、5年間営業赤字が続いた同社をAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏が買収し、データ分析に基づくコンテンツ制作、デジタル配信を前提とした組織や業務フローの転換等を通じて、収益黒字化を達成しました。Walmartは、2016年のジェット・コム社の買収を機にECを本格的に立ち上げ、2021年にはECで674億ドルの売上に成長(売上構成比で約12%、過去5年間のCAGR約43%)。Nikeは、2020年に元ServiceNow・eBay CEO、PayPal会長のジョン・ドナホーがCEOに就任。Digitalを活用したD2C事業の売上は全体の4割以上に成長しました。Siemensは、事業の選択と集中を徹底し、デジタルインダストリーをコア事業の1つに。中核をなすIoTプラットフォームのMindSphereが成長を牽引。欧州最大規模のソフトウェアカンパニーに転身しました。Disneyは、“Disney+”や”Hulu” を含めた有料動画配信サービスの会員数が2億2100万人となり、Netflixを上回る規模になっています。
ビジネスモデルを大きく変えるような変革を起こすには、大きな投資が必要です。社内の技術や知見だけでは、スピード感を持って変革を起こすことは困難です。DXに成功している企業では、相当な件数・金額規模のM&A、資本提携、中途社員の積極採用・登用、コンサル/ITベンダーの活用を行い、社外のノウハウや人材を取り込んで変革を加速化させています。大きな投資と数年単位の期間を要するDXには、経営余力のあるうちに着手しないと手遅れとなるリスクがあります。既存事業が好調で余力があるうちに大胆な大型投資を行い、早期の変革が可能ですが、大型投資が難しい場合は、コスト削減、非コア事業売却による小型投資を重ね成果創出する必要があります。手遅れになる場合は、まずは大胆なリストラやコスト削減が必要となり、十分な投資ができず変革に時間がかかり手遅れになります。これまでも変革に着手する時期が大企業の命運を分けてきました。例えば、小売業界では、WalmartがAI等のテクノロジーの活用やスタートアップの買収を通じてオンライン事業や「BOPIS」へ素早く対応し、世界最大の売上高を誇る企業として成長した一方、Searsは、かつては世界最大の小売企業であり、Walmartの最大の競合として君臨していたが、他社が模索していたデジタルを活用したビジネス変革に乗り遅れ、2018年に経営破綻しました。ビデオ/DVDレンタル業界では、Netflixが自社のDVD郵送レンタル業が活況の時期にサブスクリプション化やストリーミングサービスへの移行を始め、ディスラプターへと成長した一方、Blockbusterは、Netflix創業期には大手老舗レンタルチェーンとして君臨していたが、実店舗中心の戦略に固執してオンライン事業への着手が遅れ、2010年に経営破綻しました。旅行業界では、TUIがドイツを拠点とした旅行会社であるTUIグループは、伝統的な旅行会社の中では早い時期から旅行予約のオンラインニーズに対応し、世界最大級の旅行会社として成長した一方、Thomas Cookは、英国発祥のThomas Cookは、世界最古の旅行会社として世界各国に展開していたが、オンラインニーズへの対応が遅れ、2019年に経営破綻しました。
DXに着手することで、短期的にも長期的にもメリットがあります。変革への取組みがもたらす企業価値への貢献イメージとして、市場/世の中が自社のDXの本気度合い/先進性を認知し、DXによる自社業績への本格的な貢献が始まり、自社業績が向上し企業価値が有意に高まり、DXを完遂し羨望の対象となるという流れが考えられます。短期的には、DX先進性のアピールや求心力を強化できます。変革へ着手することで得られる短期的なメリットの例として、株主/アナリストにアピールできる、優秀な人材が辞めない・採用できる、メディアで特集される、新たなパートナー企業にアプローチされるといったことが挙げられます。
解決への取り組み
日本の大企業DXを阻む代表的な6つの「壁」を乗り越える必要があります。1つ目は、ビジョン・戦略の壁です。デジタルを活用して10-15年後に「なりたい姿」を描けていない、また、「なりたい姿」実現に向けての経営陣の同床異夢があるという課題があります。2つ目は、“PL脳”の壁です。「単年度利益」(および準ずるROE等の短期指標)を重視し、大胆に投資出来ないという課題があります。3つ目は、トップの長期コミットメントの壁です。CEOの任期が短く、企業の長期的な変革にコミットできない、(「数年間会社が死ななければ良い」「当面は伸びるから良い」という経営者のスタンス)という課題があります。4つ目は、“自前主義”の壁です。外部投資に不慣れで、M&Aや外部企業とのコラボを通じて社内に不足している能力を迅速に獲得することが出来ないという課題があります。5つ目は、企業文化の壁です。会議に依存しないチャットベースの意思決定や小さく始めて大きく育てるアジャイルな経営が根付かず、動きが遅いという課題があります。6つ目は、変革に潜む心理の壁です。組織が大きな変化に直面した際に必ず起こる、不安・諦め・過去のしがらみ等からくる様々な心理的・人間的な抵抗があるという課題があります。これらの壁を乗り越えるためには、企業の根底にあるDX阻害要因の改革が必要です。DXを成功させるには、DXを阻害する原因となっている土台の制度・文化まで踏み込んだ改革が必要です。「既存事業」にフィットした制度や文化を、DXを阻害する各要素をトランスフォームし、「既存事業」+「DX」にフィットした制度や文化に再構築する必要があります。
企業カルチャー/意識変革の正しいアプローチは、先にカルチャーから変えようとするのではなく、行動変化を促すような環境(制度・仕組み等)を作ることでカルチャーを変えていくことです。よくある間違いとして、「カルチャー」を変えて、「行動」を変えさせようとするケースがありますが、結果、掛け声だけで終わり「カルチャー」も「行動」も変わらないということが起こります。正しい手法としては、「行動」につながる「環境」を用意し、それにより「行動」が変わり、それを続けることで「カルチャー/意識」が変わっていくという流れになります。ここを変えるためには、評価の枠組みを変更、成果ベースの評価を徹底、社員ごとの日々の進捗管理をこまめに実施する必要があります。環境を変えることで企業文化を変革させる例として、ベンダー依存脱却の例を挙げます。意識を変えようと呼びかけるだけでは、ベンダー依存が行きすぎて、本来は発注者である我々が果たすべき役割もベンダー任せになっている、コストと品質の適正化を図るため、ベンダー依存を解消しよう!!と呼びかけても、これまで全てベンダーにお願いしていたので、自分たちで進めるのは業務負荷が高すぎる、自分達が大変な思いをしてコスト削減しても評価されない、今年はコスト削減へのプレッシャーが強いので何とか削減するが、来期以降、また予算を取ろう、というように行動が変わりません。しかし、行動変化を促す環境や制度を作ると、ベンダーとのあるべき役割分担(SOW)を可視化・共有し、実行状況を部門内で定期的にチェックし合う、ベンダー費用の削減率を社長に定期的に報告する、ベンダー費用を年間10億円削減したら、IT部門に2-3億円の特別ボーナスを支払う、という制度を設けることで、成果を出せば個人的にも報われるのであれば、頑張ろう!、改善状況が社長や部門全体に可視化されるので、気を抜けない!、というように行動が変わり、文化が変わります。
DXを進める上での5つの柱を意識する必要があります。本Playbookでは、DXを成功させるための土台(制度・文化等)の改革も含む、包括的な「5つの柱」に沿って、取組むべきテーマを構成します。1つ目は、DXセットアップです。いつ、どんな姿に生まれ変わりたいか(生まれ変わった後の姿)を決め、経営陣による推進体制を構築します。2つ目は、DXMOです。DXの核となる精鋭チームが、目標と施策と投資と進捗と課題を管理して、全社の問題解決を爆速でやり続けます。3つ目は、攻めのDXです。顧客に対して直接提供すべき価値を定義し、デジタルを活用した製品と接点に落とし込みます。4つ目は、守りのDXです。「攻めのDX」を支えるためのITガバナンス、コスト、セキュリティ、情報システムを進化させます。5つ目は、DXのための企業改革です。全社DXを進めていくために、それを支える組織能力・マインド・制度・仕組みを抜本的に変革します。本Playbookにおける「攻めのDX」と「守りのDX」の定義として、顧客価値の革新や創造に直接つながるデジタル施策を「攻めのDX」、生産性改善につながるデジタル施策を「守りのDX」と定義します。攻めのDXは、顧客価値革新/創造に焦点を当て、提供価値や提供手段を向上させ、新規事業や既存事業(QCD)、チャネル、マーケティングを推進します。守りのDXは、生産性改善/改革に焦点を当て、投入量ダウンや成果アップを目指し、カネ、人、直接部門、間接部門を対象に、プロセスマネジメントやオペレーション管理を行い、ITインフラ(基幹系システム、顧客管理システム等)を整備します。
海外事例一覧として、The New York Times、The Washington Post、Siemens、CATERPILLAR、MICHELIN、AIRBUS、ENGIE、Nike、LEGO、Walmart、THE HOME DEPOT、target、Domino's、STARBUCKS、Adobeなどの企業のDXの概要を紹介します。海外企業の変革に向けた取り組み例として、The New York Times、The Washington Post、Siemens、CATERPILLAR、MICHELIN、AIRBUS、ENGIE、Nike、LEGO、Walmart、THE HOME DEPOT、target、Domino's、STARBUCKS、Adobeなどの企業のDX開始パターン、DXセットアップ、DXMO、攻めのDX、守りのDX、DXのための企業改革における取り組みを紹介します。5つの柱を構成する大テーマとして、DXセットアップでは、役員のマインドセット・スキル、DXビジョン、DX予算、DX推進体制、経営計画化、主要ステークホルダーとのアライメント、PR・ブランディング、DXMOでは、DX推進専門組織とガバナンスモデル、DXテーマごとの推進体制・ガバナンスモデル、DXテーマ別管理、攻めのDXでは、「攻めのDX」の対象領域の特定、既存事業:顧客価値の向上、既存事業:プロセス変革(スマートファクトリー/SCM等)、新規事業:顧客価値創出、プロダクトの企画・開発(内製/外部パートナリング等)、アジャイル開発のプロセス・体制構築/運用、デジタルを活用した顧客接点の開拓・構築(デジタルプロダクト前提)、顧客価値創出のためのデータマネジメント、守りのDXでは、IT変革ロードマップの策定、ITコスト最適化、ベンダー依存体質/ロックインからの脱却、基幹/レガシーシステム再構築、サイバーセキュリティ体制強化、テクノロジーを活用したオペレーション変革、DXのための企業改革では、戦略的投資・アライアンスのための組織、M&A/アクハイアリング、DX人材の獲得/受け入れ環境整備、既存社員のスキル変革、DX社員のキャリアパス・インセンティブの設計、DX推進に向けた組織再編、デジタルを活用した経営管理のアップデート、DX文化・風土・気運の醸成、を挙げます。5つの柱の標準的な実行フローとして、半年を目安に各種DXの取り組みの成果・進捗を振り返り、軌道修正を行なっていくことが重要です。標準的なDX Quick Winのシナリオとしては、1年目にDX戦略策定と推進体制構築を行い、既存事業のデジマ等の営業改革やIoT活用等のプロセス改革を行い、クラウド転換等ITコスト削減、SCM/BPRによる効率化を行い、既存領域のITコスト~5%削減、既存業務工数~10%減、既存事業売上3~5%増、攻めのクイックヒットPoC開始、コスト削減で予算捻出し投資、M&A/アクハイアを行い、2~3年目に不足ケイパビリティをM&Aで補い新規事業立ち上げを行い、5年目には新規事業をローンチし、既存事業の30%~の売上を目指します。DX着手後に目指すべき定量的な成果目標の標準イメージとして、1年後には経営会議での議論を2-6回実施、DX推進専門組織に3-6名アサイン、攻めのDX対象を1-2領域が特定、PoCを1件開始し、顧客価値の進化を確認、既存領域のITコスト~5%削減、DX人材を外部から1-5名採用、3年後にはDXテーマの主要紙/雑誌特集記事6本掲載、開発中のDXテーマ10件、DX新規事業1-2件ローンチ済み、既存事業売上3-5%増、既存領域のITコスト~10%削減、既存業務工数~10%減、買収企業3-5社、外部DX人材採用累積15名、5年後には株価20%上昇(対DX前比)、(不要テーマ整理後)事業化目処のあるDXテーマ10件、既存事業売上10%増、新規事業売上対既存事業の20%規模まで成長、既存領域のITコスト~20%削減、既存業務工数~20%減、買収企業10社、M&A、PMIの専門人材3-5名在籍、10年後には株価50%上昇(対DX前比)、(DX完遂に伴い、DXMOは消滅?変容後の企業に最適化)、全体売上50%以上増、新規事業売上対既存事業の30%~100%、次世代基幹システム構築完了(構築が必要な企業が対象)、DX人材の間での就職/転職人気上位10位以内を目指します。各テーマにおける標準的な役割分担として、各テーマに対して、CEO/COO/CFO、主要経営陣、CDO/DX部門、事業部門、機能部門(調達・生産・物流・営業)、IT部門、人事部門、その他(財務、経企・IR、PR)がそれぞれオーナーや関係者/部門として関わります。
今後の展望
DXセットアップのテーマ一覧として、役員の「マインドセット・スキル」では、CEO/トップマネジメントのDXに対する理解の醸成、執行役員クラスに必要なマインドセットの変革、執行役員クラスに必要なスキルの獲得、DXビジョンでは、DXを通じた事業の中長期のビジョンの策定、DX予算では、DX予算の策定・確保・運用、DX推進体制では、執行役員クラスのDX推進体制の構築、経営計画化では、経営計画への落とし込み、主要ステークホルダーとのアライメントでは、取締役間でのDXの方向性・体制のアライン、主要株主からの支持の形成、PR・ブランディングでは、DXに関するPR・ブランディングの実行、が挙げられます。DXMOのテーマ一覧として、DX推進専門組織とガバナンスモデルでは、DX推進専門組織のミッションの定義、DX推進専門組織の設計、DX推進専門組織の人員アサイン、意思決定会議体の設定、DXテーマごとの推進体制・ガバナンスモデルでは、DXテーマの抽出・選定方法の確立、DXテーマ別チームのリーダー選定/ミッション設定、DXテーマ別のKGI/KPI設定・管理、DXテーマ別管理では、デジタルツールを活用したDXテーマごとの進捗管理、DXテーマの重要課題・組織横断課題の抽出と解決、DXの不要テーマの整理/撤退/中止実行、が挙げられます。攻めのDXのテーマ一覧として、「攻めのDX」の対象領域の特定では、「攻めのDX」の対象領域の特定、既存事業:顧客価値の向上では、既存事業の顧客価値の向上に向けた戦略策定、既存事業:プロセス変革(スマートファクトリー/SCM等)では、既存事業のプロセス変革に向けた戦略策定、新規事業:顧客価値創出では、新たな顧客価値創出のための戦略策定、プロダクトの企画・開発(内製/外部パートナリング等)では、コアプロダクトの企画・開発の内製化、周辺プロダクトの企画・外部パートナリング、オープンイノベーションの推進、アジャイル開発のプロセス・体制構築/運用では、アジャイル開発を前提としたプロセス・体制構築/運用、デジタルを活用した顧客接点の開拓・構築(デジタルプロダクト前提)では、デジタルチャネルを活用した顧客接点のモデル構築、デジタルマーケティングの実行、デジタルを活用したセールスの構築、デジタルを活用したカスタマーサクセスの構築、IDマネジメント基盤の構築・運用、顧客価値創出のためのデータマネジメントでは、データマネジメントの基盤整備・運用、が挙げられます。守りのDXのテーマ一覧として、IT変革ロードマップの策定では、IT変革ロードマップの策定、ITコスト最適化では、IT投資ガバナンスの構築(定常的な運営の仕組み)、ITコストの削減(定期的な取組み)、ベンダー依存体質/ロックインからの脱却では、ベンダー依存体質/ロックインからの脱却、基幹/レガシーシステム再構築では、基幹/レガシーシステム再構築、サイバーセキュリティ体制強化では、サイバーセキュリティ体制強化、テクノロジーを活用したオペレーション変革では、テクノロジーを活用したオペレーション変革、が挙げられます。DXのための企業改革のテーマ一覧として、戦略的投資・アライアンスのための組織では、戦略投資・買収のための組織作り、事業アライアンス推進機能構築、M&A/アクハイアリングでは、M&A/アクハイアリングの対象探索・交渉・実行、PMI機能の構築・運営、DX人材の獲得/受け入れ環境整備では、DX推進に必要な人材獲得戦略の策定、外部DX人材向けの人事制度構築、外部DX人材の採用、外部DX人材のオンボーディング、既存社員のスキル変革では、既存社員のリスキリング、DX社員のキャリアパス・インセンティブの設計では、DX社員のキャリアパス・インセンティブの設計、DX推進に向けた組織再編では、業務部門や事業部門の再設計、デジタルを活用した経営管理のアップデートでは、KPI・KPIダッシュボードを活用した意思決定システム構築、“経営はチャット”-SaaS活用のコミュニケーション/意思決定、エンゲージメントスコアの測定・向上、DX文化・風土・気運の醸成では、「DX Value」の浸透、DXに関する社内PRの実施、DXモメンタムの形成・維持、が挙げられます。
標準的なDX Quick Winのシナリオとしては、1年目にDX戦略策定と推進体制構築を行い、既存事業のデジマ等の営業改革やIoT活用等のプロセス改革を行い、クラウド転換等ITコスト削減、SCM/BPRによる効率化を行い、既存領域のITコスト~5%削減、既存業務工数~10%減、既存事業売上3~5%増、攻めのクイックヒットPoC開始、コスト削減で予算捻出し投資、M&A/アクハイアを行い、2~3年目に不足ケイパビリティをM&Aで補い新規事業立ち上げを行い、5年目には新規事業をローンチし、既存事業の30%~の売上を目指します。DX着手後に目指すべき定量的な成果目標の標準イメージとして、1年後には経営会議での議論を2-6回実施、DX推進専門組織に3-6名アサイン、攻めのDX対象を1-2領域が特定、PoCを1件開始し、顧客価値の進化を確認、既存領域のITコスト~5%削減、DX人材を外部から1-5名採用、3年後にはDXテーマの主要紙/雑誌特集記事6本掲載、開発中のDXテーマ10件、DX新規事業1-2件ローンチ済み、既存事業売上3-5%増、既存領域のITコスト~10%削減、既存業務工数~10%減、買収企業3-5社、外部DX人材採用累積15名、5年後には株価20%上昇(対DX前比)、(不要テーマ整理後)事業化目処のあるDXテーマ10件、既存事業売上10%増、新規事業売上対既存事業の20%規模まで成長、既存領域のITコスト~20%削減、既存業務工数~20%減、買収企業10社、M&A、PMIの専門人材3-5名在籍、10年後には株価50%上昇(対DX前比)、(DX完遂に伴い、DXMOは消滅?変容後の企業に最適化)、全体売上50%以上増、新規事業売上対既存事業の30%~100%、次世代基幹システム構築完了(構築が必要な企業が対象)、DX人材の間での就職/転職人気上位10位以内を目指します。各テーマにおける標準的な役割分担として、各テーマに対して、CEO/COO/CFO、主要経営陣、CDO/DX部門、事業部門、機能部門(調達・生産・物流・営業)、IT部門、人事部門、その他(財務、経企・IR、PR)がそれぞれオーナーや関係者/部門として関わります。
このPlaybookを参考に、自社のDXを推進していく中で、様々な課題に直面するかもしれません。しかし、これらの課題を一つ一つ丁寧に解決していくことで、必ずやDXを成功させることが出来ると信じています。このPlaybookが、皆様のDX推進の一助となれば幸いです。もし、より具体的なDX推進に関するご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。弊社は皆様のDX推進を全力でサポートいたします。
Photo by Kanae Kanesaki on Unsplash
無料計算ツールをご活用ください
経営判断に役立つシミュレーションツールをご用意しています。
登録不要ですぐにご利用いただけます。