Audit Plus 高橋公認会計士事務所

2024/3/16

2024年4月施行!経産省推進のIoT製品セキュリティ適合性評価制度と中小企業への影響解説

近年のIoT(Internet of Things)技術の急速な発展は、私たちの生活を大きく変え、新たな便利さを提供しています。しかし、この技術進化の裏側で、セキュリティリスクも増大しており、製品の安全性確保が大きな課題となっています。この点に着目し、経済産業省は、IoT製品のセキュリティを強化し、消費者の信頼を確保するための新たな取り組み、「セキュリティ適合性評価制度」を立ち上げました。この制度は、2024年4月1日より正式に施行され、国内外のIoT製品ベンダーに対し、セキュリティ基準への適合性を評価し認証することを目的としています。

特に中小企業にとっては、制度の要件を理解し、適切に対応することが経営の持続可能性に直結するため、重要なポイントとなります。しかし、多忙を極める中小企業の経営者にとって、制度の詳細を把握し、どのように対応すれば良いのかは、一筋縄ではいきません。そこで本記事では、経済産業省が導入する「セキュリティ適合性評価制度」について、中小企業の経営者が持ちやすい疑問を9点選び、それぞれに対する明確な回答を通じて、制度の概要と中小企業におけるその意義を解説します。制度施行の背景から、中小企業が直面する具体的な課題まで、この記事を通じて深く掘り下げていきます。経済産業省のこの先見的な取り組みが、国内のIoT製品のセキュリティレベル向上にどのように貢献するのか、そして中小企業にとってどのような影響があるのか、詳細にわたってご説明いたします。

当該制度の対象は?

制度の対象となるのは、ネットワークに接続されるIoT(Internet of Things)製品全般です。これには家電、ウェアラブルデバイス、センサー、セキュリティカメラ、自動車の組み込みシステムなど、インターネットに接続してデータの送受信を行う製品が含まれます。制度は、これらの製品が一定のセキュリティ基準に適合していることを評価・認証することを目的としており、消費者への信頼向上と、セキュリティリスクの低減を図ることが狙いです。

この制度への参加は必須?どのような場合に参加が必要になる?

この制度への参加は、原則として任意です。しかし、市場での信頼性向上や、特定の顧客やパートナーからの要求がある場合には、参加が事実上必要になることがあります。例えば、公共のプロジェクトや大手企業の供給チェーンに製品を供給する場合、セキュリティ適合性が証明された製品のみが要求される可能性が高く、そのような状況では参加が実質的に必須となることが考えられます。また、製品のセキュリティに対する消費者の意識が高まっている現在、適合性評価を受けた製品は市場での競争力が高まるため、自社製品のセキュリティをアピールする手段として制度への参加を検討する企業も増えています。

制度参加のメリットとデメリットは?

参加のメリットとデメリットを検討する際には、企業の規模や製品の特性、市場戦略など多様な要素が関わってきますが、以下に一般的な観点からいくつかのポイントを挙げます。

メリット

1. 信頼性の向上: 評価制度に参加し、適合性認証を受けた製品は、セキュリティ面での信頼性が高いと市場に認識されます。これは、消費者の製品選択に大きな影響を与える可能性があります。
2. 競争力の強化: 認証済みの製品は、セキュリティを重視する顧客にとって魅力的です。特に公共機関や大企業との取引では、必要条件となることもあり、ビジネスチャンスの拡大につながります。
3. セキュリティ意識の向上: 制度への参加を通じて、企業内でのセキュリティに関する知識が深まり、製品開発の初期段階からセキュリティを考慮する文化が醸成されます。

デメリット

1. コストの発生: 評価制度への参加には、評価のための費用や、セキュリティ基準を満たすための開発コストが発生します。特に小規模な企業にとっては、負担となる可能性があります。
2. 時間とリソース: 適合性評価のプロセスには時間がかかり、企業のリソースを消費します。製品の市場投入が遅れる要因となることも考えられます。
3. 複雑化するプロセス: セキュリティ基準の変更や更新に追従する必要があり、特に小規模企業にとっては対応が難しい場合があります。

制度への参加を検討する際には、これらのメリットとデメリットをバランスよく考慮し、企業の現状と将来の戦略に照らし合わせて判断することが重要です。また、制度の詳細や支援策など、最新の情報を得るためにも関連機関への相談や情報収集を行うことが勧められます。

制度について関連するステークホルダーは?

参加を検討している場合、以下の機関や組織に相談すると良いでしょう:

  1. 経済産業省: 制度の設計主体であり、全体的な指針や参加方法に関する情報を提供しています。経済産業省の公式ウェブサイトや、直接問い合わせることで、制度に関する詳細情報や参加手続きについての案内を受けることができます。
  2. 情報処理推進機構(IPA): セキュリティ関連の情報提供や技術支援を行っている機関で、IoT製品のセキュリティに関する具体的な指導や支援を受けることが可能です。
  3. 業界団体や協会: 自社の製品が属する業界団体や協会によっては、セキュリティ適合性評価制度に関する情報共有や相談支援を行っている場合があります。業界の最新情報や共有の場を活用し、他社の取り組みや経験を参考にすることも有効です。
  4. 専門のコンサルティング会社: セキュリティ評価や認証支援に特化したコンサルティング会社を利用することで、制度への参加に向けた具体的なアドバイスやサポートを受けることができます。コストがかかる場合が多いですが、効率的に準備を進めることが可能になります。
  5. 認証機関: 評価制度において実際に評価を行う認証機関に直接問い合わせることで、評価プロセスの詳細や必要な準備について具体的な情報を得ることができます。

これらの機関や組織に相談する際は、自社の製品や事業に関する情報を整理し、どのような支援が必要か、どのような疑問点があるかを明確にしておくことが重要です。事前の準備をしっかりと行うことで、より具体的で有用な情報を得ることができます。

評価機関・検証事業者に対する支援策は?

特に自己評価を行う体制や設備が十分でなく、外部に委託する費用の確保が困難な中小企業のIoT製品ベンダー向けに、評価機関・検証事業者に委託して自己適合宣言を実施する場合の補助金等の支援が検討されています。

制度への参加費用はどの程度かかる?

制度を普及を踏まえ、☆1、☆2 の取得費用は、リーズナブルな金額に抑えるべきであるとされており、現実的な費用水準になるであることが想定されます。一方で、⭐︎3については、その重要性を鑑み、相当の程度のコストが発生するでしょう。

セキュリティの知識が不足している場合の支援は?

セキュリティの知見が不足するベンダーも多く存在するため、本制度に関する教育プログラムやセミナーが今後開催されるでしょう。

セキュリティリスクをゼロにすることは可能?

通常、セキュリティリスクを完全にゼロにすることは不可能と考えられています。セキュリティは、リスクを評価し、適切な対策を講じることによってリスクを管理し、可能な限り低減するプロセスです。経営者は、セキュリティ対策において、完全な安全性を実現することの難しさを理解し、継続的なリスク管理と改善を心がける必要があります。

まとめ

IoT技術の発展は日々進化を続けており、それに伴いセキュリティの重要性も高まっています。特に中小企業にとって、セキュリティ適合性評価制度は製品の信頼性向上と市場競争力強化の大きなチャンスです。本記事では、2024年4月に施行される経済産業省主導のセキュリティ適合性評価制度の概要、そのメリット・デメリット、そして参加を検討する際に相談すべき機関について解説しました。

制度への参加は任意ですが、市場での製品信頼性を示す重要な手段となり得るため、積極的な検討が推奨されます。コストや時間、リソースの負担はあるものの、長期的な視点で見れば製品の信頼性向上という形でのリターンが期待できます。また、セキュリティ対策の意識が高まり、企業文化にも好影響を与えるでしょう。

この機会に、貴社のIoT製品のセキュリティ対策を見直し、市場における競争力を一層強化してみませんか?当社では、セキュリティ適合性評価制度に関する詳細なコンサルティングや、制度への参加支援サービスを提供しています。セキュリティ基準への適合が企業にとってどのようなメリットをもたらすのか、専門的な視点からアドバイスさせていただきます。貴社のIoT製品が更に信頼される一歩を踏み出すために、ぜひ私たちのサービスをご利用ください。セキュリティは負担ではなく、未来への投資です。

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